アメリカでは日常でも使われている有名な話術

ラグビーPEPトークアメリカに「人を励ます技術」があります。
始まりはスポーツの世界からでしたが、今ではビジネス界は言うに及ばず、ニュースでも普通に使われている言葉です。それが「PEP TALK(ペップトーク)」です。
ペップトークはスポーツ、たとえば試合前のロッカールームで、ヘッドコーチが緊張している選手たちの前で本来の実力を発揮できるように、1分くらいの話をします。
選手たちは、その言葉を聴き、感動に打ち震えながら、雄叫びを上げてグランドに飛び出していきます。これが元々のペップトークの始まりです。

しかし、誰もが荒々しい言葉でやる気が湧いてくるわけではありません。
この本ではペップトークというメソッドでどんな人にでも使える励まし方、やる気を引き出す話し方を解説していきます。

  • 部下をやる気にさせたいリーダーやマネジャー
  • 社員のやる気を短時間で引き出したい経営者
  • 悩んでいる友人を何とか励ました人
  • 子どもにやる気を出してほしいと思っている親
  • 子どもの本来の力を発揮させたい教師、指導者
  • 入院している友人・知人に元気になってほしいと思っている人

など、さまざまな場面でペップトークは使えます。あなたの周りの人たちを元気にし、あなた自身も元気にさせる、それがペップトークです。

たった1分、4つの要素を組み立てるだけ

PEPの4つのフレーム構成ペップトークは1分前後でできる話術ですが、実は論理的に分析されています。また、わかりやすいシンプルな言葉で伝えていきますが、これはさまざまな人種がいるアメリカならではのものです。
ペップトークは、次の4つの組み立てによって構成されています。

  1. 受容(事実の受け入れ)
  2. 承認(とらえかた変換)
  3. 行動(してほしい変換)
  4. 激励(背中のひと押し)

相手が緊張や不安の状態のなか、あるいは、落ち込んでいたり元気がなかったりするなか、1~4の順番に沿った話し方で、本来の力が発揮できる状態になったり、元気になったりするのです。
多くの人が、相手に良かれと思って言葉をかけるとき、思わず否定的な言葉になったり、注意やアドバイスになってしまいます。
ペップトークは、相手の感情に寄り添った言葉がけをすることにより、相手が信頼を寄せ、より良い人間関係も構築することができるのです。

あなたもペップトークを使って、言葉の力を感じてみてください。

目次

はじめに

  • 誰かに励ましてもらったことがあるけれど、自分が励ます立場になったら
  • アメリカで誕生した人を「励ます技術」

第1章 人のやる気はどこから生まれるのか?

  • 思いがあれば、人はどんな逆境からでもはい上がれる
  • 人のやる気が湧き起こるメカニズム
    –「存在ステージ」で相手の存在の重要性に気づく
    –「行動ステージ」で相手が頑張っていることに気づく
    –「結果ステージ」で相手の影響力に気づく
  • 「存在・行動・結果」のステージはピラミッド型
  • 人がやる気をなくしてしまうのはなぜか?
    –本気の否定(承認の否定)をしてしまう
    –応援しているのに表現が否定的になってしまう
    –相手に関心が向いていない
  • 可能性を信じてくれる人によって人生が変わる
  • 人のやる気を満たすシンプルな言葉「ありがとう」
  • 受け取る力が相手のやる気を引き起こす

第2章 人はなぜ本来持っている実力を発揮できないのか?

  • どんな人でも緊張・不安など心理的な壁がある
  • 本来持っている力(=リソース)を発揮するための心の状態
  • 相手の実力を引き出すことができなかったリーダー
  • ペップトークは、たった1分でできるコーチング技術
  • 言葉ひとつで空気を一瞬で変える

第3章 相手のやる気を最大限に引き出すペップトークのつくりかた

  • ペップトークの5つのルール
    –ポジティブな言葉を使う
    –短い言葉を使う
    –わかりやすい言葉を使う
    –相手が一番言ってほしい言葉を使う
    –相手の心に火をつける本気の関わり
  • 人の心を震わせる最高のペップトーク
  • ペップトークはシンプルな4つのステップでつくる
  • アメリカのペップトークから導き出された論理的なステップ

ステップ1 受容(事実の受け入れ)

  • 受容は、相手を受け入れる準備のステップ
    –感情受容……相手の感情を受け入れる
  • 受容とは、心の器に入った感情という液体をくみ取る作業
    –状況受容……相手の置かれている状況を受け入れる

ステップ2 承認(とらえかた変換)

  • 承認は、感情を一気にプラスに転換させるゴールデンステップ
    –逆転の発想承認……コインに裏表があるように言葉を換える
    –あるもの承認……パズルの欠けたピースを探してはいけない

ステップ3 行動(してほしい変換)

  • 行動とは、ポジティブにしてほしいことを明確に伝えること
    ネガポジ変換……ネガティブな言葉は現実になる
  • イメージの世界では、脳は肯定形と否定形を区別できない
    アクション変換……イメージしてほしいのは「結果より行動」
  • 結果の指示より行動の指示の方が効果的
  • 行動の指示と結果の指示を一緒に使うと効果抜群

ステップ4 激励(背中のひと押し)

  • 最後は相手の背中をどう押して送り出すかだけ
    –「激励系」の言葉で気合を与える
    –「見守り系」の言葉で安心感を与える
  • ペップトークは何を言うかだけでなく、誰が言うかも大事

第4章 相手のやる気を最大限に引き出すペップトークの伝えかた

  • ペップトークの土台は相手との信頼関係
  • 信頼関係構築にもペップトークの4ステップを使う
  • ペップトークと心の状態のメカニズム
  • 人はあなたの言葉通りにはいかない
  • 相手がやる気を起こす3つのスイッチ
    –「できる感スイッチ」で、相手の力を認めて自信をつけさせる
    –「ワクワク感スイッチ」で相手の自由を認めて楽しくさせる
    –「安心感スイッチ」で、相手の下向きな気持ちを受け止めてから力に変えさせる
  • 人をやる気にさせる前に、自分自身の心の状態を整えるセルフペップトーク
  • あなた自身を励ます「337ペップトーク」

第5章 あなたのペップトークを実践する

  • あなたがやる気を引き出したい相手の感情と状況を常に考える
  • ペップトークをつくるための質問
  • あなたの言葉でペップトークをつくってみよう
  • ペップトークは人の人生を変える力を持っている

出版大感謝講演会を全国で行います!

今回の出版はたくさんの仲間の協力によってできました。感謝の気持ちをこめて全国で出版大感謝講演会を開催します。普段の講演会の参加費で講演をお聞きにっていただけるだけでなく書籍もプレゼントさせていただきます(講演会によって価格、プレゼントの有無の設定が異なりますので詳細をご覧ください)。

  • 7月13日夜 東京千代田区
  • 7月17日昼 栃木県宇都宮
  • 7月19日夜 東京都新宿区
  • 7月21日夜 東京港区
  • 7月25日夜 東京八王子市
  • 7月27日夜 東京渋谷区(平本あきお氏、大嶋啓介氏も登壇)
  • 8月5日昼 東京都(協会5周年記念講演、岩崎会長、占部理事)
  • 8月16日昼 滋賀県
  • 8月18日夜 兵庫県伊丹市
  • 8月19日昼 大阪府門真市
  • 8月24日夜 千葉県木更津市(調整中)
  • 8月31日夜 東京都江戸川区
  • 9月12日夜 東京都(調整中)
  • 10月13日夜 大阪府(調整中)

この他にも札幌、長野、名古屋、福岡でも企画中です。